数ある宝石の中で 「ダイヤモンド」 のみ色や形の品質評価 ( 4C評価 )を提示したダイヤモンド鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)があります。
ダイヤモンドの価値は、「4C」と呼ばれる 『カラット』・『カラー』・『クラリティ』・『カット』の総合評価に、蛍光性という性質の有無で決定されます。
① シェイプ(ダイヤモンドの形状)
ダイヤモンドは上から見て丸いものが一般的なもので、【ラウンドブリリアントカット】といいます。
このカットが世に流通している一番有名なカットで58面体のカットで出来ています。ラウンドカットにも例外としてこの58面以外の面数でカットされているダイヤモンドがあり、それらを通称【ラウンドモディファイカット】と呼ばれラウンドブリリアントカットより評価が下がります。
ダイヤモンドにはラウンドブリリアントカット以外にもいろいろな種類の形状があります。ラウンドブリリアント以外の変形カットを通称【ファンシーカット】といいます。
これらのファンシーカットもラウンドブリリアントカットと比べると一般的に評価が低くなります。
② カラット(ダイヤモンドの重量)
カラット(キャラットとも呼ばれる)の意味は重量を表します。誤解されている方も多いですが大きさではありません。
1カラット(略語で ” ct ” )=0.2グラム です。0.06gのダイヤモンドは0.30ct。0.3gのダイヤモンドは1.50ct。1.0gで 5.00ctになります。
一般的には カラット数が大きければ大きいほど値段は高くなります。
③ カラー(ダイヤモンドの色)
無色透明を D(最高クラス)とし、そこから始まってアルファベット順に D、E、F、G ・・・ Z までで評価します。
実はダイヤモンドは無色透明なモノよりも黄色味や茶色味を帯びた石が大多数を占めます。よって無色透明になればなるほど希少価値が上がります。
極稀に天然のままの色で特殊な化学処理が行われていないピンクやブルーのカラーダイヤモンドがあります。これらはさらに希少価値があがり高値で取引されています。
④ クラリティ(ダイヤモンドの透明度)
ダイヤモンドはもともと炭素からなる自然界から出来たものなので、通常は輝きを妨げるキズや内包物が存在します。
キズ・内包物(インクルージョンともいう)の 大きさや数・位置・性質によってクラリティ(透明度)を評価します。
当然ながらキズ・内包物が無いものは評価が高く、それらが多くなると透明度が下がり濁って見えたり、肉眼で黒いキズなどが見えるものなどは特に評価が下がります。
一般的にはクラリティはダイヤモンドの内側にも外側にも一切キズ・内包物がないものを FL(フローレンス)といいこれを最高クラスにして10種類の評価で表されます。
⑤ カット(ダイヤモンドの形・仕上・対称性)
ダイヤモンドの美しい輝きは、ほとんどがこの正確なカット技術によって決まります。
基本的には、形(プロポーション)・仕上(ポリッシュ)・対称性(シンメトリー)の3つの要素で評価します。
最高クラスをエクセレント(EXCELLENT)とし、一般的に5段階の評価で表します。
ダイヤモンドは屈折率が高いので、カットの優れたダイヤモンドは外から入ってきた光を面をつかって反射して照り返し輝きを増します。
カットが悪くなると光が正しく反射されずに照り返さず輝きが失われます。
エクセレント(EXCELLENT)カットの中でも、バランスのとれた良質なカットのダイヤモンドは、さらに上のグレードとして「ハート&キューピッド(ハート&アロー)」と呼ばれ、特殊なレンズで覗くと、8個のハートと8本の矢が見えます。それらに加えて仕上(ポリッシュ)や対称性(シンメトリー)もエクセレント評価のモノを 『3EX』(トリプルエクセレント)と呼び最上級クラスになります。
⑥ フローレンス(ダイヤモンドの蛍光性)
上記の ②~④ が通常ダイヤモンドを評価する 『 4C 』 になるのですが、あと一つ忘れてはいけないのが、ダイヤモンド自身が最初から持ち合わせている性質の蛍光性があります。
この蛍光性というのは、紫外線を当てた時にどのような反応をするかで評価されます。紫外線に対して光る色や強弱はダイヤモンドによって様々です。
紫外線を当てた時に特に強く反応して青白く光るものは、ダイヤモンド本来の輝きが弱まり評価が下がります。
色味もBLUE(青)やGREEN(緑)やホワイト(白)などがありますが、一般的にはBLUEが多いです。
鑑定書の蛍光性の表記のところに、「STRONG・BLUE」や「VERY・STRONG・BLUE」と書かれているものは、通常のダイヤモンドよりも評価が低くなります。